金沢駅周辺の朝活さんぽで見つけた日常の気づきと小さな事件|50代夫婦の休日

朝活・ライフスタイル

金沢駅と鼓門から始まる日曜日の朝活

日曜日の朝。

まだ眠っている街を歩けば、静かな時間が流れている――。
そう思っていた。

今回の朝活は金沢駅周辺。

ところが駅前に着くと、そこには思っていたよりもたくさんの人の姿があった。

大きなトランクを転がし旅へ向かう人。

鼓門を見上げ夢中でシャッターを切る観光客。

そして、部活動へ向かうのだろうか。

制服姿の高校生や大学生たちが足早に通り過ぎていく。

朝活を始めて約二か月。

それまでの日曜日といえば、

「休みなのだから、ゆっくり寝ていたい」

が当たり前だった。

だから私は知らなかった。

朝の街は、思っていた以上に動き始めるのが早いということを。

「早起きは年配の人だけ。」

そんな勝手な思い込みは、毎週少しずつ覆されていった。

安江神社と別院通り:朝の静けさと支える人たち

鼓門を見上げながら、今日はどこへ歩こうかと夫婦で少しだけ立ち止まる。

迷った末、足は自然と別院通りへ向かっていた。

途中で立ち寄ったのは安江神社。

長女が生まれた頃から初詣のたびに家族で訪れてきた、私たちにとって特別な場所だ。

朝の境内は驚くほど静かで、聞こえるのは木々を揺らす風の音だけ。

手を合わせると、不思議なくらい心が落ち着いていく。

朝活を始めてから気づいたことがある。

神社は、お参りをする人だけの場所ではなかった。

ほうきを手に境内を掃く人。

落ち葉を集める人。

参道を丁寧に掃除する人。

そして神社を出れば、犬の散歩をする人や道路に落ちたごみを黙々と拾う人の姿がある。

どの町を歩いても不思議なくらい同じ光景に出会う。

私はずっと「朝の街は静か」だと思っていた。

でも本当は違った。

まだ多くの人が眠っている時間から、

誰にも気づかれないように街をきれいにし、

誰かの日常を支えている人たちがいる。

だから私たちは、何気なく気持ちのいい朝を迎えられるのだ。

そんな当たり前のことを、五十代になって朝んぽが教えてくれた。

別院の横を歩き、ぐるりと街を一周して再び金沢駅へ戻る。

何度も見てきた景色なのに、歩いているだけで旅先を訪れたような気分になる。

朝の街には、そんな不思議な力がある。

コメダ珈琲店のモーニングとアルティジャーノでの事件

たっぷり歩いた後は、もう一つのお楽しみ。

前回は満席で入れなかったコメダ珈琲店でモーニングをいただく。

焼きたてのトーストとコーヒー。

歩いたあとの一杯はいつもより少しだけ美味しく感じる。

そして帰り道。

鞍月の「アルティジャーノ」へ立ち寄った。

まだ眠っているであろう次男へのお土産にパンを買うためだ。

……ところが、ここで事件が起きる。

「電子マネーはご利用いただけません。」

その一言で、夫婦そろって固まった。

財布を開く。

バッグを探す。

ポケットまで確認する。

現金は二人合わせて約五千円。

レジに並ぶパンのお会計は、五千二百円。

あと少し。

その「あと少し」が、こんなにも遠いとは思わなかった。

レジの前で夫婦そろって小銭をかき集める姿は、きっと周りから見れば少し滑稽だっただろう。

私達の後ろにはレジの順番の列が作られていく。

朝んぽでは一滴もかかなかった汗を、この数分で一気にかいた。

なんとか支払いを終えた。

今回の教訓。

出かける前には、財布の中身と支払い方法を確認すること。

五十代夫婦、また一つ賢くなった。

パンを買いすぎる理由と、心満たされる日曜日の結末

それにしても、不思議なことがある。

私たちは毎回パンを買いすぎる。

ついさっきモーニングを食べたばかりなのに

「あれも美味しそう。」

「これも気になる。」

そう言いながら、気づけばトレーの上はパンでいっぱいになっている。

次男の分を取り分けてもまだ残る。

結局いつものように長女の家へ持って行くことになる。

理由はパン。

もちろんそれも本当。

でも、本当の理由は違う。

孫の顔が見たいのだ。

健康のために始めた朝活。

確かに歩いている。

でも、そのあとにモーニングを食べて、

パンをたくさん買って、

孫の顔を見ながらまたパンを食べる。

これで本当に健康になっているのかは正直よく分からない。

それでも一つだけ確かなことがある。

家で眠って終わっていた日曜日よりも、

今の日曜日のほうが、ずっと心が充実している。

朝日も浴びている。

来週はどこを歩こう。

そんなことを考えている時間もまた旅の楽しさなのだと思う。

そして来週もきっと、モーニングを食べて、パンを買ってしまう。

「今日は控えめにしよう。」

そう言いながら。

たぶん、またトレーはいっぱいになる。